ハンバーガー包装紙やフライ商品のテイクアウトバッグ、惣菜トレーの内敷き紙など、油や水分が染み出さないようにするための「耐油紙」。PFAS規制の強化を背景に、フッ素フリー素材への切替を検討し始めた外食チェーンの担当者も増えてきました。ただし「耐油紙」とひとくくりに言っても、素材にはいくつかのタイプがあり、耐油性能・印刷のしやすさ・コストのバランスは大きく異なります。この記事では、耐油紙の主な素材タイプを整理したうえで、切り替えを検討する際に確認しておきたい比較ポイントをまとめます。

耐油紙とは何か、どんな用途で使われているか

耐油紙とは、紙の表面や内部に油・水分をはじく加工を施し、食品から染み出す油分で紙が破れたり中身が漏れたりしないようにした包材です。外食業界では、次のような用途で日常的に使われています。

  • ハンバーガー・サンドイッチの包装紙
  • フライドポテト・唐揚げなどのテイクアウトバッグ
  • 弁当・惣菜トレーの内敷き紙、仕切り紙
  • ベーカリー商品の個包装紙

従来はフッ素系薬剤(PFAS)を紙の表面に塗布・含侵させることで耐油性能を持たせる方式が主流でした。しかし国内外でPFAS規制が段階的に強化されており、フッ素フリー素材への切替需要が広がっています(規制の詳細な動向は「PFAS規制とは?外食業界の包材切替が避けられない理由と備え方」で解説しています)。本記事では、規制対応の先にある「実際どの素材を選べばよいか」という比較の視点を整理します。

耐油紙の主な素材タイプと特徴

PFASフリーの耐油紙といっても、加工方法によって性能特性は異なります。代表的な3タイプを見てみましょう。

フッ素コーティング紙(従来型)

紙にフッ素系薬剤を塗布した従来型の耐油紙です。耐油・耐水性能が高く、印刷適性も安定しているため長年の実績がありますが、PFAS規制の対象となるため、今後は新規採用を避ける動きが広がっています。既存在庫がある場合も、切替スケジュールの検討が必要です。

バイオマス由来コーティング紙

植物由来の成分を用いて耐油性能を持たせた紙です。フッ素を使わないため規制対応がしやすく、環境配慮素材として訴求できる点が特徴です。一方で、フッ素コーティング紙と比べると耐油性能に幅があり、揚げ物など油分の多い商品では実使用テストでの確認が欠かせません。

特殊抄造紙・樹脂ラミネートタイプ

紙の繊維構造自体を密にする特殊抄造や、フッ素を含まない樹脂フィルムを貼り合わせるラミネート加工により耐油性能を持たせるタイプです。比較的高い耐油・耐熱性能を確保しやすい一方、素材構成によってはリサイクル区分が変わる場合があるため、廃棄・分別表示の観点も確認しておくと安心です。

素材タイプ 耐油性能の傾向 印刷適性 コスト目安 PFAS該当
フッ素コーティング紙 高い 高い(実績豊富) 標準 該当(規制対象)
バイオマス由来コーティング紙 商品により差あり 中〜高 やや高め 非該当
特殊抄造紙・樹脂ラミネート 高い傾向 素材構成により差あり やや高め 非該当(要成分確認)

※性能・コストは商品構成やメーカーにより異なるため、実使用テストと見積もりでの確認が前提となります。

切り替え時に確認したい4つの比較ポイント

素材タイプを把握したうえで、実際に自社の商品構成に合った耐油紙を選ぶには、次のポイントを比較検討することが有効です。

商品ごとの必要グレードを分ける:揚げ物・グリル商品のように油分の多いメニューと、サンドイッチのように油分が少ないメニューでは、必要な耐油グレードが異なります。全品目を同一素材に揃えようとせず、商品特性ごとにグレードを検討すると、コストと性能のバランスが取りやすくなります。

実店舗環境での使用テスト:カタログ上の性能値だけでなく、実際の調理・保温条件(揚げたて・保温庫での長時間保管など)で油染みや破れが起きないかを事前にテストすることが重要です。

ブランドロゴ・意匠の印刷再現性:素材が変わると印刷方式(オフセット・フレキソ等)の適性やインクの発色が変わることがあります。既存デザインをそのまま流用できるか、事前に印刷サンプルで確認しておくと切替後のトラブルを防げます。

発注ロット・価格・供給の安定性:PFASフリー素材は原材料の供給体制がメーカーごとに異なり、最低発注ロットや納期が従来品と異なる場合があります。切替を急ぐ品目から優先的に、供給が安定しているメーカーを選ぶことが現実的です。

まとめ:素材特性を理解したうえで、品目単位で段階的に選ぶ

耐油紙のPFASフリー化は、「フッ素を使っていない紙に置き換えればよい」という単純な話ではなく、素材タイプごとの性能特性を理解したうえで、自社の商品構成に合わせて選ぶ工程が欠かせません。

  1. 商品を分類する:油分の多い商品・少ない商品で必要グレードを整理する
  2. 候補素材を絞り込む:性能・印刷適性・供給安定性のバランスで比較する
  3. 実使用テストで検証する:本格切替の前に、実店舗環境での耐油・耐熱テストを行う

ひかり産業は40年以上にわたる食品包材のオーダーメイド製造実績を活かし、PFASフリー対応の耐油紙袋・食品向け包装資材の企画・製造に取り組んでいます。商品構成や発注量に合わせた素材選定からご相談いただけます。

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